阿南市が2017年4月から、水道料金の25%値上げを検討していることが分かった。平均的な世帯(毎月20立方メートル使用)で456円の引き上げとなる。今後、老朽化した配水管の耐震化に多額の費用が必要となるため。料金改定は市町村合併後に旧阿南市域と旧那賀川、羽ノ浦両町の水道料金を統一した08年以来、9年ぶり。

 市の想定では25%値上げの場合、平均的世帯で現在の月額1984円から、2440円に上がる。現行の料金水準は県内8市では最も低いが、値上げ後は三好、美馬、阿波、吉野川の各市に次いで、5番目の料金水準となる。

 12日、市水道事業審議会(会長・上月康則徳島大大学院教授)が岩浅嘉仁市長に「25%値上げ」を答申。市はこれを軸に検討を進め、市議会12月定例会に関連条例の改正議案を提出する。

 阿南市の配水管耐震化は9・5%(15年度末)と、県内8市で最も低い。市は主要水道幹線を中心に、毎年2・5ポイントずつ耐震化率を高めることを目指している。

 市の水道利用人口は7万908人(同)。人口減少に伴ってここ数年、毎年約500人ずつ減っており、水道事業も減収が続いている。市は今後も水道利用人口の減少は避けられないとみて、料金値上げに踏み切ることを決めた。

 岩浅市長は「南海トラフ巨大地震に備え、水道管の耐震化は必要。答申を参考にしながら、検討を進めたい」と話した。

 審議会は学識経験者や婦人団体代表ら14人に委員を委嘱。7月に市長から諮問を受け、これまでに3回の協議を行った。