臨時国会がきょう召集される。第4次安倍改造内閣が発足して、初めての国会論戦である。

 内外に山積する懸案に、どう対処すべきか。活発な議論を通じて、分かりやすく国民に示してもらいたい。

 まずは、災害復旧費を盛り込んだ本年度補正予算案の審議である。北海道の地震から1カ月以上、西日本豪雨からは3カ月以上もたつ。被災者の生活再建と復旧を急がなければならない。

 法案で焦点となるのは、農業や介護、建設など人手不足が深刻な分野で、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入管難民法改正案である。

 単純労働分野も対象に、一定技能が必要な業務に就く「特定技能1号」と、熟練技能が必要な業務に就く「特定技能2号」の在留資格を新設するのが柱だ。

 高度な専門人材に限っていた政策を転換するもので、野党などから「事実上の移民政策」だとの指摘が出ている。

 改正案は、受け入れ先に対し、日本人と同等以上の報酬確保など一定基準以上の雇用契約や、生活支援に取り組む責務があると明記する。

 だが、幅広い分野で外国人が働く技能実習制度では、違法な長時間労働や賃金不払いが後を絶たない。そんな状況で、果たして外国人労働者の雇用環境や人権を守れるのかどうか。

 不法滞在や治安悪化を心配する声もある。人手不足の解消は喫緊の課題だが、拙速は許されない。審議を尽くすよう求めたい。

 新閣僚の資質や「政治とカネ」の問題も、厳しく問われよう。

 柴山昌彦文部科学相は教育勅語に関する発言で物議を醸し、片山さつき地方創生担当相には現金100万円の授受と国税庁への口利き疑惑が浮上した。宮腰光寛消費者行政担当相と平井卓也科学技術担当相は、談合に関わった企業から献金を受けたとされる。

 続投した麻生太郎副総理兼財務相は、「森友学園」の文書改ざんなど財務省不祥事の責任を取らないままだ。

 森友、加計学園を巡っては未解明な点が多く、国民の不信感は根強い。関係者の招致を含め、引き続き国会で追及する必要がある。

 安倍晋三首相は、今国会に自民党の憲法改正案を提出し、議論を加速させたい考えだ。党憲法改正推進本部や衆参両院憲法審査会の幹部に側近を配置し、態勢を整えた。

 しかし、強引な運営をすれば、与野党の溝は深まるばかりだろう。与党の公明党も首相から距離を置いている。幅広い合意形成が基本であることを、忘れないでほしい。

 来年10月の消費税率引き上げに備えた景気対策や、激しい攻防が予想される日米通商交渉への対応など、議論すべきテーマは多い。

 実のある内容にするには、政府の丁寧な説明が欠かせない。首相には真摯な姿勢が望まれる。