徳島県発注の公共工事の入札で同一業者に落札が偏っているとされる問題で、県議会県土整備委員会は13日、この業者が代表を務める共同企業体が落札し、9月定例会に提案されている建築工事請負契約締結議案2件の採決を見送った。県は偏りを認め、現行の入札制度の見直しを表明したものの、議員側が調査を譲らなかった。県が落札業者への聞き取り調査などをした上で、20日に改めて委員会を開き審議する。県議会の委員会で県提出議案の即日採決が見送られるのは飯泉県政では初めてとみられる。

 採決が延期されたのは、徳島阿波おどり空港旅客ターミナルビル増築工事と、阿南工業高校改築工事の請負契約締結議案。2件とも入札価格に技術力や工事成績などを加味して決める総合評価落札方式で7月11日に入札が行われ、いずれも同一業者が代表を務める共同企業体が落札した。

 委員会では、2011年度以降の2億円以上の建築工事29件(発注総額176億7500万円)のうち、この業者が4割超の12件(74億1000万円)を落札していることに関し、須見一仁氏(明政会)が「落札業者が偏っている」と指摘。

 今回の2件についても無効や失格で落札候補業者が1企業体しか残らなかった点、落札額が失格基準価格に対しそれぞれ100・44%、100・33%とわずかに上回る額だった点を問題視し「公平性が担保できていない中で入札された両議案は審議できない。いったん審議を保留にすべきだ」とただした。

 県側は楠本正博県土整備部副部長が「入札はルールに基づき適正に執行した。ただ結果的に偏りは出ており、制度は必ず見直す」と明言。議案承認を求めたものの折り合えず、岩丸正史氏(同)が「落札業者への聞き取りや第三者から意見を聞く調査をすべきだ」と提案したのに対し、原一郎県土整備部長が応じる意向を示した。

 県は第三者からの意見聴取は、大学教授や弁護士らでつくる県入札監視委員会に諮る。調査結果を20日の次回委員会で報告する。

 原部長は、入札制度の見直しについて「現行制度の検証や業界への意見聴取を踏まえるため、少し時間がほしい。見直しの方向性は今議会中に報告したい」と述べた。