合同公演に向けて、練習を重ねる民芸部員と卒業生=徳島市の城北高校人形会館

 創部60年余りの城北高校(徳島市)民芸部は28日、1期生から現役部員まで総勢45人が出演する特別合同公演を、同市の県立阿波十郎兵衛屋敷で行う。卒業生らでつくる県内の人形座や太夫部屋が一堂に会し、六つの演目を披露する。

 民芸部は1956年の創部。65年には校内に本格的な芝居小屋・人形会館(国登録有形文化財)が建てられ、人形浄瑠璃の練習を重ねてきた。卒業した部員らが結成した人形座は3団体あり、国立文楽劇場(大阪)などを舞台に国内外で活躍するプロの人形遣いも輩出している。

 公演は民芸部に加え、城北座、青年座、ポラリス座の各人形座と、太夫部屋の城北会、ゲストの友輔会が出演。「恋女房染分手綱 重の井子別れの段」、特殊詐欺の啓発劇「警醒電話鳴ると 騙された振り作戦の段」などを上演する。

 最後は「フィナーレ三番叟~今日までそして明日から」と銘打ち人形5体が勢ぞろいする舞で締めくくる。

 民芸部1期生で、城北座所属の佐藤博之さん(78)=同市沖浜東1=は「年齢の上下はあっても、気持ちは高校生のころのまま。めったにない機会なので気合を入れる」とやる気満々。岸明瑠音部長(17)=2年=も「先輩に恥ずかしくないよう、高校生の頑張りを見てもらう」と話す。

 公演は、県内人形座の特徴や個性を紹介する阿波十郎兵衛屋敷のシリーズ企画の一環。午後2時50分開演。阿波十郎兵衛屋敷の入場料が必要。