「阿波へんろそば眉山」が取得したハラル認証の証明書と入り口に掲示した認証マーク=徳島市の同店

 イスラム教の戒律に沿って処理された食品であることを示すハラル認証を取得する動きが、徳島県内の事業者に広がっている。人口減少で国内需要が縮小する中、訪日外国人旅行者(インバウンド)需要の取り込みや輸出への機運が高まっていることが背景。ただ、認証を売り上げアップに結び付けているかどうかは、ばらつきがみられる。

 県もうかるブランド推進課によると、阿波観光ホテル(徳島市)のレストラン「やまもも」が2014年9月に県内で初めてハラル認証を受けた。その後の取得状況は同年度末時点で6事業者・20品目。16年8月1日時点では12事業者・43品目に倍増した。

 阿波おどり会館(同市)の5階にあるそば店「阿波へんろそば眉山」は15年4月に認証を取得。基本メニューは全てハラル対応となり、イスラム圏からの観光客が団体で食べに来るようになった。

 変動のあるインバウンドだけでなく、市内のモスク(礼拝所)に定期的に訪れる四国のイスラム教徒や徳島大の留学生など多い月で100人ほどのイスラム教徒が来店。固定客も付き、売り上げは取得前と比べて3割ほど増えた。瀬戸慎太郎店長は「客層の厚みが増した」と効果を実感している。

 一方、輸出を目指す場合は即効性が期待しにくい。継続的に販売できる売り先を確保する必要があるためだ。

 ユズ加工品を製造販売する「きとうむら」(那賀町)は14年11月にマーマレードやユズこしょうなど4商品で取ったが、1年後の更新は見送った。更新費として年20万円ほどかかるが、イスラム諸国で適当な販路が確保できず、元が取れないと判断した。

 市岡製菓(同市)は同時期に「木頭柚子ショコラ」や「生パウンドケーキ」など5商品で認証を取得。シンガポールとアラブ首長国連邦・ドバイでの販売実績はあるが、担当者は「定着はこれから」と話す。

 県は県内のハラル対応商品を集めたフェアをシンガポールで15年9月に開くなど、販路開拓の支援に力を入れている。もうかるブランド推進課の多田茂夫室長補佐は「認証を取っても売れなければ意味がないので、お手伝いできれば」と話す。