顕微鏡を用いた手術で、切断した指を再接着する日比野部長(左)ら=鳴門市の鳴門病院(同病院提供)

 徳島県鳴門病院(鳴門市)が2008年に開設した「手の外科センター」が手術件数を飛躍的に増やし、注目を集めている。顕微鏡を用いた手術(マイクロサージャリー)で手の微細な血管や神経を扱える専門医が、切断した指の再接着など緊急を要する手術で力を発揮。労災事故や交通事故で手を損傷した患者が県内外から多く運び込まれ、病院の看板部門となっている。

 手の外科センターは県内初の手の治療専門機関。開設された08年の手術件数は166件だったが、その後、県内医療機関からの紹介が次々と舞い込むようになり、14年は407件、15年は598件と大きく伸びている。

 このうちマイクロサージャリーは年間50~80件を実施。0・5ミリ前後の血管を縫合できる技術があるため、二重切断や複数の指の切断などの難しい症例も積極的に受け入れている。県内外からドクターヘリで搬送されてくる患者も少なくない。

 センターは、マイクロサージャリーの技術を静岡県の専門病院で学んだ日比野直仁整形外科部長が率いる。整形した足の指で手の指を再建したり、欠損部分に背中や太ももの組織を移植したりと、機能と外観の両面で事故前の状態に近づけられるよう力を注ぐ。

 形成外科の医師が垣根を越えて治療に加わっているのもセンターの特徴の一つ。手や指の再接着手術では術後4日は1時間おきに看護師が経過を観察。専属の作業療法士も長期にわたってリハビリに当たるなどして幅広い人材が治療を支える。

 日比野部長は「昼夜を問わず快く協力してくれるスタッフがいるからこそ、困難な症例の患者でも断らずに受け入れられている」と話している。