風疹は飛沫感染や接触感染です。ウィルスを吸引すると、潜伏期間2~3週間の後に、発熱、発疹、頸部のリンパ節腫大で発病します。症状には個人差があり、これらの症状がすべてそろう訳ではありません。不顕性感染も多いと言われ、麻疹に比べると症状は軽いとされますが、時に脳炎や血小板減少性紫斑病などの重症の合併症をともなう場合があります。

 風疹の予防にはワクチンが有効です。日本で風疹ワクチンが開始されたのは1977年(昭和52年)です。当時は先天性風疹症候群の予防のために中学生女子のみにワクチンが接種されました。1995年に1歳児の風疹ワクチンが定期接種になるまでの男子中学生は風疹ワクチンを受ける機会が少なく、現在子育て世代とされる20歳~50歳位の男性は風疹抗体価の低い世代です。

 風疹のない安心して妊娠できる社会を築くためには、すべての世代で風疹ワクチンを2回接種することが望まれます。前回の風疹流行が2012~2013年でした。この時、先天性風疹症候群が全国で45名発生しています。今年は前回の流行を上回るペースで風疹が発生しています。

 風疹は子どもの病気ではありません。成人が罹っても軽く済んで見過ごされている可能性があります。先天性風疹症候群の発生をなくすためには、妊娠を希望する女性およびそのパートナーで免疫のない人達、つまり風疹に罹ったことがない人、ワクチンを受けたことがない人、受けても1回しか受けていない人は風疹ワクチン受けることが大切です。