元社会党衆院議員の井上普方(いのうえ・ひろのり)氏が10日午後11時27分、肺炎のため神奈川県横浜市内の病院で死去した。90歳。阿南市辰己町出身。自宅は横浜市青葉区。葬儀・告別式は近親者で済ませた。喪主は妻誠子(せいこ)氏。

 井上氏は徳島大医学部在学中の1951(昭和26)年、県議選で初当選し、3期務めた。67年に社会党公認候補として衆院選で徳島全県区から出馬し、初当選。以降、9期連続当選した。衆院商工委員長や党国会対策副委員長などを歴任し、93年に引退した。

 永田町では“国対の実力者”として知られ、主に自民党との交渉に尽力した。故後藤田正晴元副総理は叔父。98年、勲一等瑞宝章を受章した。