阿波市議会の9月定例会をうその届け出で欠席し、ネパール旅行していた藤川豊治市議(70)=同市阿波町西ノ岡=が、議員を続ける意向であることが24日分かった。所属していた会派・阿波みらいの阿部雅志会長に伝えた。一方で藤川氏は、自身に対する議員辞職勧告決議案が採決される25日の市議会臨時会を、病気入院を理由に欠席することを届け出た。臨時会では本人不在のまま、辞職勧告決議が賛成多数で可決される見通し。
阿部会長によると、24日午後5時ごろに藤川氏から「家族や周囲と相談した。このまま進む覚悟ができた」と電話連絡があった。阿部会長が「続けるということか」と尋ねると「はい、そうです」と答えたという。
同日、藤川氏は臨時会の欠席届を江澤信明議長宛てに提出した。議会事務局によると、午後1時すぎに藤川氏から「21日夕方に入院したので、欠席する」と電話があった。事務局が病名などを問い合わせたところ、同5時ごろに「急性腸炎と糖尿病の悪化のため、医者から2週間の入院が必要と言われた」と再び連絡があり、欠席届がファクスで送られてきた。診断書は添付されていなかった。
臨時会では、藤川氏が18日に申し出ている副議長の辞職願を承認した後、辞職勧告決議案が採決される。この際、藤川氏には副議長辞職のあいさつと、辞職勧告決議案に対する弁明の計2回、発言の機会が与えられるはずだった。辞職勧告決議に法的拘束力はない。
江澤議長は、欠席について「藤川氏は市民への説明責任を十分果たしていない。臨時会ではその機会があったのに残念だ」と話した。
藤川氏は9月27日、登山のためネパールへ出発し、29日の市議会9月定例会最終日を欠席。議会事務局には「健康診断のため」と届け出ていた。10月17日に帰国し、18日の会見では、定例会の欠席理由がうそだったことを認めた。