文部科学省が25日発表した公立学校児童生徒の問題行動調査によると、徳島県内の小中高校と特別支援学校が2017年度に把握したいじめは2288件だった。前年度より303件多く、現在の集計方法となった06年度以降で最多となった。県教委は、各校に設置しているいじめ対策組織を17年度から強化したことで相談しやすい環境が整い、いじめ把握が進んだとみている。

 いじめは、小学校1568件(前年度1227件)、高校86件(66件)、特別支援学校40件(22件)といずれも増加した。中学校は594件(670件)に減った。

 内容(複数回答)では「冷やかしや悪口」が最多で、小学校1073件(866件)、中学校360件(467件)、高校50件(30件)となっている。「パソコンや携帯電話でのひぼう・中傷」は増加傾向にあり、小学校19件(8件)、中学校65件(52件)、高校14件(15件)。全体に占める割合は4・4%と、前年度から0・5ポイント増加した。

 確認されたいじめのうち、今年3月31日時点で解決しているのは88・4%に当たる2022件。266件は解決していない。

 暴力行為は、小学校186件(71件)、中学校233件(212件)、高校40件(29件)といずれも増加。校内の見守り態勢を強化し、けんかやふざけ合いといった軽微な暴力行為も初期段階で把握するようにした。

 病気や経済的理由以外で30日以上欠席した不登校は小学校135人(116人)、中学校483人(410人)、高校101人(93人)で、いずれも前年度を上回った。年によって増減はあるものの、ここ数年横ばい状態が続いている。

 県教委は「認知件数が増えたのは、重大事案に発展しないよう早期発見に努めた結果だが、それだけ子どもが苦しんでいる状況を示している。今後も早期発見、早期対策を徹底し、いじめ防止に向けた対策を進めたい」としている。