東京都内のホテルで25日開かれたプロ野球の新人選択会議(ドラフト会議)で、ソフトバンクから4位で指名されたJR東日本の板東湧梧投手=徳島県鳴門高出=は、東京都内のJR東日本東京支社で会見を開いた。ロッテの育成1位指名を受けた徳島インディゴソックスの鎌田光津希投手=千葉県出身、横芝敬愛高-敬愛大出=は、ドラフト会議のパブリックビューイングが行われた藍住町のゆめタウン徳島で抱負を語った。
ドラフト会議開始から1時間半が過ぎ、待ちに待った瞬間が訪れた。ソフトバンクから4位指名を受けたJR東日本の板東は、堀井監督から祝福を受け、「本当にうれしい。家族や友人たちの期待に応えられた」と喜んだ。
プロ入りを意識し始めたのは、社会人の名門に入ってから。指名が解禁される3年目からは毎年候補に挙がった。しかし、右肘に不安があり、鳴門高の恩師・森脇監督からの助言も受けて意思表示をとどまってきた。今季は都市対抗大会で好投。「体も大きくなり、自信が付いた」とプロでの挑戦を決断した。
肘痛に悩まされた日々も「折れることはなかった」。投げられないときは栄養学や生理学の知識を身に付け、食事を多く取った。65キロほどだった体重は10キロ余り増えた。
制球力があり、直球の切れと緩急を織り交ぜて勝負する。精密機械のようなコントロールを持つソフトバンクの摂津投手を憧れの選手に挙げる。「コントロールが良く、安定感があり、信頼される投手になる」と語る。
ソフトバンクは選手層が厚く、競争は激しいが「施設も充実していて成長するのにこの上ない」。チームメートになる海陽町出身の森投手については「闘志がすごい。しっかり話を聞いて学びたい」と貪欲だ。
支えてくれた母に感謝しながら「プロで頑張るところを見ていてほしい」と活躍を誓った。
一方、ロッテの育成1位となった徳島インディゴソックスの鎌田は「とてもうれしい。ステージが一段上がるので、もっと頑張らないと」。藍住町のゆめタウン徳島での指名会見で、ほっとした表情を見せた。
今季は17試合に登板し4勝をマーク。最速155キロの力強い直球を武器に先発の軸として後期の優勝争いに貢献し、プロの評価を引き出した。「分かっていても打てない直球を投げたい。5年、10年と息の長い選手になる」と抱負を語る。
育成からのスタートとなるが、出身でもある千葉のチームからの指名に「応援が印象的で一番行きたかった球団。泥くさくはい上がっていきたい」と決意を示した。
徳島に昨季在籍し、西武で活躍する伊藤翔は横芝敬愛高の後輩。1年遅れて投手としてプロ入りの夢をかなえた23歳は「負けないよう、まずは支配下登録を目指す」。会見に詰め掛けたファンを前に力強く話した。