過去に何度も徳島県を襲った南海地震について記した古文書や公文書を展示した企画展「記録資料に見る南海地震」が25日、徳島市の県立文書館で始まった。地震の被害や教訓を伝えることで、南海トラフ巨大地震に対する防災意識の向上につなげてもらう。来年1月29日まで。
室町時代前期(南北朝時代)に発生した1361年の康安南海地震(正平地震)から1946年の昭和南海地震までの5回の巨大地震と、1512年の永正の津波についての記述がある古文書や公文書、木製の額など約40点を展示している。
南北朝時代の「太平記」、江戸時代の「震潮記」などの古文書には、地震と津波による被害をはじめ、避難生活やその後の復興、被災者支援の取り組みが書き残されている。牟岐町の公文書からは、昭和南海地震から1年後に慰霊祭が行われたことなどが分かる。
昭和南海地震(46年12月21日)から70年を迎えるのに合わせ同館が企画した。金原祐樹課長補佐は「県内でこれだけの災害が起きたということを知り、災害に備えてほしい」と話している。
企画展は午前9時半から午後5時までで、毎週月曜と毎月第3木曜(祝日と重なった場合は翌日)、12月29日から1月4日は休館。入場無料。同館では12月17日午後1時半から調査報告会、11月27日と来年1月15日のいずれも午後1時半から展示解説がある。