報道活動の基本となる取材を拒否し、それを町幹部や教育次長に指示したことは、町のトップの姿勢として断じて認めることができない。住民の「知る権利」を妨害するものだからだ。

 「知る権利」は、言うまでもなく、民主主義社会を支える原理であり、それを守るために報道の自由が認められている。

 公的機関の持つ情報は、社会や住民が共有すべきものである。徳島新聞の記者もその原理に基づいて取材している。

 神山町議会と町長の陳情・視察に関する一連の記事も、住民に伝えるべき情報であると我々は判断した。議員と税金の在り方は、厳しく問われている。

 記者の取材方法、記事に瑕疵(かし)があったとは考えていない。

 後で撤回されたとはいえ、町長の指示を受け、学校現場が取材を拒否したこともおかしい。町長にそんな指示権限はない。教育の政治的中立を損なってはならないからである。

 健全な民主主義を守るために、取材拒否の撤回を求める。

 編集局長・宮本正