教室に並べる机のレイアウトなど準備を進める西谷社長=徳島県美馬市美馬町の旧重清西小

 2016年度末に廃校になった徳島県美馬市の旧5小学校の活用が、今年4月に始まって半年が過ぎた。企業誘致や住民による利用が進む中、旧重清西小で11月から、市内の企業がカルチャースクールを運営する。残る4小学校も活用の方向性が固まりつつあり、市は「雇用促進や地域活性化を図ってほしい」と期待している。
 
 旧重清西小を利活用するのは、市内の教育関連団体「アウトフィット」が運営するカルチャースクール「悠遊大学」。図書室や職員室など7部屋を使い、高齢者を対象にした英会話教室やスポーツジムを開く。28日の開所式に向けて、機材搬入や机のレイアウトなどを進めている。

 学校施設の利用についてアウトフィットの西谷明彦社長(51)は「学校は世代を問わず懐かしく感じられる場所。放課後に学校で遊んだように利用してほしい」と話す。

 残り4校のうち、旧芝坂小は縫製業者が、旧喜来小は地域ビジネス法人がそれぞれ入居し、4月から事業を始めた。旧郡里小は、北島町の飲食店がイベント時にカフェを開くほか、市の障害者支援団体が協働作業所として活用する準備を進めている。

 旧重清東小は放課後児童クラブが活用中。さらに、市のスポーツ関連団体やつるぎ町の学習塾が利用を申請している。

 美馬市は「施設の管理が進み、地域に愛される拠点になるよう努めたい」としている。