神山町の後藤正和町長が、徳島新聞の担当支局記者の取材を拒否するよう全町職員に指示していたことが25日、分かった。町長は、国への陳情に合わせて町議会全議員と町長が観光地を訪れると報じる記事を本紙が掲載したことを理由に挙げた。取材拒否は一時、政治的中立が求められる学校現場にまで及んだ。

 記者が25日午前9時から、同町鬼籠野の四国電力変電所で行われた神領小学校の体験授業を取材しようとした際、居合わせた同校の教頭が「町から取材は拒否するよう言われている」と遮った。

 記者が町幹部に事情を確認したところ、陳情の旅程に観光地が含まれていたことを本紙が報じた21日、後藤町長が課長級職員や教育次長を招集したことが判明。町長は「真意が記者に伝わっていない」として、全職員に対し、担当支局記者の取材を拒否するとともに役場や町関係公共施設への出入りを禁止するよう、指示していたことが明らかになった。

 後藤町長は25日夜、徳島新聞の電話取材に対し、「東京での視察を観光と理解するなど、白であることを黒と書く記者の取材には応じられない」と説明。取材拒否の撤回については「今後の記者の取材姿勢を見る」と述べた。

 学校現場での取材拒否に関しては、後藤町長は「そこまで広げるつもりはなかった」と弁解した。高橋博義教育長は「私から学校に指示した。教育の中立性までは考えが至らなかった。申し訳ない」と謝罪し、取材拒否は撤回した。