阿南市やJA東とくしま、阿南商工会議所などでつくる市地域医療確立対策協議会(会長・平尾勲雄阿南商工会議所会頭)が国に陳情を行う際、旅行会社の添乗員を同行させることが慣例化していたことが25日、分かった。2014~16年の計5回の陳情のうち添乗員が4回同行。費用の総額は明らかになっていないが、全て市からの補助金を充てていた。協議会は「効率的に陳情するための必要な支出」と説明している。

 添乗員が同行していたのは「阿南医療センター」の整備に向けた陳情。協議会が厚生労働省や財務省に予算要望などを行った14年2月、同11月、15年3月、同10月の計4回、いずれも徳島市の旅行会社に勤める1人が同行した。

 このうち添乗員の経費が判明しているのは14年11月4、5両日に岩浅嘉仁市長ら約20人が参加した陳情。旅行会社の収支精算書では6万1250円が計上されていた。添乗員は徳島空港から同行し、参加者の飛行機やホテルのチェックインをしたほか、バスで引率して各省へ案内した。
 添乗員は毎回、同様の業務を担っている。協議会は「陳情の際に観光地には立ち寄っていない」としている。

 協議会の陳情を巡っては「経費が高額すぎる」として、15年9月、市議が住民監査請求し、協議会側が同12月、経費の一部を市に返還した経緯がある。

 返還後、初めてとなる今月18、19両日の陳情には添乗員は同行していない。

 岩浅市長は「国への陳情では先方の予定が変わることがよくある。大人数を率いて時間のロスなく陳情に行くために添乗員が必要だった」と話した。