文部科学省が27日発表した公立学校児童生徒の問題行動調査によると、徳島県内の小中高校と特別支援学校が2015年度に把握したいじめは1437件と前年度の728件から約2倍に増え、現在の集計方法となった06年度以降で最多となった。件数が増加したのは、15年7月に岩手県矢巾町の中2男子が自殺した問題を受け、軽微な事案も積極的に把握したことが原因。
いじめは、小学校925件(前年度397件)、中学校431件(293件)、高校70件(28件)、特別支援学校11件(10件)と、いずれも増加した。
内容(複数回答)は、小中高校とも「冷やかしや悪口」が最も多く、小学校700件(293件)、中学校315件(205件)、高校41件(16件)。次いで多かったのは「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたりする」で、小学校193件(86件)、中学校65件(58件)、高校14件(8件)となっている。「仲間外れや集団による無視」は小学校152件(55件)、中学校60件(38件)、高校12件(2件)だった。
確認されたいじめのうち、今年3月31日時点で解消済みか、一定の改善が図られたのは97・1%に当たる1395件。42件は解消していない。
病気や経済的理由以外で30日以上欠席した不登校は、小学校116人(125人)、中学校431人(495人)、高校101人(140人)で、いずれも減少した。
暴力行為は、小学校が51件(45件)、中学校は282件(207件)と、いずれも増加。高校は34件(41件)に減少した。
県教委は「小さないじめも見逃さないという意識が教員に浸透したことで認知件数が増えた。今後も早期発見、早期対応に努めるとともに、いじめ防止に向けた啓発に力を入れたい」としている。