阿南市や阿南商工会議所などでつくる市高規格道路等建設促進期成同盟会(会長・平尾勲雄阿南商工会議所会頭)と那賀川渇水対策協議会(同)が、2014年度に合同で行った国への陳情の費用が2回で計約300万円に上ることが28日、分かった。いずれも全て市の補助金を充てている。このうち1回は懇親会に約50万円が使われており、陳情団の14人以外に12人が加わっていた。両団体の事務局を務める阿南商工会議所は「個人情報のため名前などは言えない」としている。
陳情は、14年7月と15年1月に、いずれも1泊2日の日程で東京の国土交通省や財務省を訪れた。参加者は、両団体の会員である平尾会頭や岩浅嘉仁市長、市議をはじめ、商工会議所と市の職員らで、7月が13人、1月は14人だった。
両団体への請求書などによると、費用は7月が約124万円、1月が約175万円だった。単純に計算して1人当たりの費用は7月が約9万円、1月が12万円になる。
航空機の運賃や昼食費などのほか、ホテル代として1室当たり7月が約1万4千円、1月が約1万7千円を支出。東京での移動にはバスを貸し切っており、7月が約18万円、1月が約19万円かかっていた。
いずれも初日の夜に懇親会を催しており、7月は約17万円(会場設営費含む)、1月は約50万円(同)を使っていた。7月の場所は明らかでないが、1月は都内のホテルで行っていた。2回とも添乗員が同行しており、経費として約13万円が支払われている。
岩浅市長は「陳情は地元の公共事業を早く進めてもらうために必要。無駄な使い方は全くしていない」と話している。
阿南市の団体の陳情を巡っては、市地域医療確立対策協議会が14年と15年の2回の陳情で、計約369万円を支出。全て市からの補助金で、市議が岩浅市長を相手取り、補助金を返還させるよう求める訴訟を起こしている。