徳島労働局が、トラック、タクシー、バスを使う県内の「自動車運転使用者事業所」を対象に2015年に行った立ち入り調査で、40事業所のうち72・5%の29事業所が労働基準関係法令に違反していたことが分かった。1カ月の拘束時間が400時間を超える事業所もあり、運転手の労働環境が依然厳しいことが浮き彫りになった。

 調査は15年1~12月、貨物運送35事業所、タクシー4事業所、バス1事業所で実施した。労働局の職員が抜き打ちで事業所を訪れ、運転時間を記録した日報や、労働条件を運転手に知らせる雇い入れ通知書を調べた。

 法令違反があったのは、貨物運送の27事業所(77・1%)とタクシーの2事業所(50%)。バスは違反がなかった。前年に比べてタクシーとバスは違反率が下がったが、道路貨物運送は1・4ポイント上がった。

 貨物運送の主な違反は、労働時間に関する違反が11事業所、雇い入れ通知書の未交付が11事業所、就業規則の不備が6事業所など。タクシーは休日の時間が30時間を下回る違反が1事業所、割増賃金の未払いが1事業所だった。

 運転手の仕事の特性に合わせて国が定めた改善基準には28事業所(70%)が違反し、このうち貨物運送が27事業所を占めた。1日の拘束時間が16時間を上回り、休息期間が連続8時間以上確保されていない事業所が21事業所もあった。

 県トラック協会によると、運転手が目的地に到着しても荷下ろしや積み込みの順番待ちがあり、拘束時間が延びる一因となっている。メーカーなどは部品の在庫を抱えようとしない傾向が強く、運送ルートを計画的に組むのが困難な事情も背景にあるという。郡信彦専務は「拘束時間の長さは認識しているが、トラック業界の取り組みだけでは根本的な解決は難しい」としている。

 労働局は法令違反、改善基準違反があった事業所に是正勧告した。