結婚式を挙げ、住民らに祝福される杉山さん夫妻=美馬市美馬町の山人の里

結婚式を挙げ、住民らに祝福される杉山さん夫妻=美馬市美馬町の山人の里

 美馬市美馬町狙ケ内の交流促進宿泊施設・山人(やまんと)の里で29日、初の結婚式が行われた。挙式したのは、同市穴吹町口山の造園業杉山渉(わたる)さん(31)と真貴子さん(36)=旧姓宮原=夫妻。親族や友人、地域住民ら180人が出席し、東日本大震災をきっかけに県内に移住してきたカップルの門出を祝った。

 新郎の渉さんは岐阜出身で、東京で震災を経験。インドでの放浪生活を経て、移住者の多い神山町に2012年7月に移り住んだ。

 福岡出身の真貴子さんも東京で震災に遭って11年5月に同町に移住し、杉山さんと知り合った。15年4月に、渉さんが美馬市の古民家を紹介されて転居。今年8月に入籍した。

 結婚式は施設体育館で仏式で行われ、披露宴では出席者が持ち寄った炊き込みご飯、シチューなどがバイキング形式で提供された。引き出物は2人の手作りのクッキー、会場の飾り付けも友人らが行うなど、アットホームな雰囲気にあふれた。

 会場となった山人の里は旧重清北小学校校舎を活用し、14年6月にオープン。地域のイベントや住民の運動会などに使われている。昨年末に忘年会で利用した渉さんと真貴子さんが雰囲気を気に入り、挙式会場とすることを施設運営委の久保田正和委員長(67)に打診。快諾を得て、華燭の典の場となった。

 祝福を受けた2人は「笑いの絶えない家庭をつくり、末永く美馬市で過ごしたい」と声をそろえた。