元石井小校長で石井町議会の青木雅文町議(64)=同町石井=が、同校退職時に持ち帰った児童・保護者の氏名と住所が記された「児童名簿」を使って、議員活動を報告するはがきを送っていたことが26日、分かった。町教委は、地方公務員法の守秘義務や個人情報保護法に抵触する恐れがあるとして、青木町議から事情を聴く方針。

 青木町議によると、石井小を退職した2014年3月、他の私物と一緒に名簿を段ボール箱に入れて自宅に持ち帰り、倉庫に保管していた。名簿には、13年度に在籍していた1~6年の全児童約500人の住所や保護者の氏名が記されていた。

 青木町議は15年8月の町議選で初当選し、現在1期目。当選後の16年10月ごろ、パソコンで作った後援会名簿に、児童名簿に記載された氏名や住所を入力して書き加えた。何人分を加えたのかは不明で、名簿は既に破棄したという。

 16年10月から毎年10月ごろ、児童らの名前を加えた後援会名簿を基に宛名書きをして、議会活動の報告内容などを記したはがきを送付している。1回当たりの送付枚数は約700枚で、今年10月までの3年間で計2100枚に上るという。

 青木町議は徳島新聞の取材に対し「子どもにも議員活動を伝えたかった。配慮が足らず、迷惑と心配を掛けて申し訳ない」と謝罪した。

 町教委によると、児童名簿は各校で部数を決めて作成。持ち出しを禁止し、校内で管理している。

 武知光子教育長は「事実であれば誠に遺憾で、教育への信頼を失墜させる。本人に事実関係を確認した上で対応を検討する」と語った。