ゆめタウンなどを展開するイズミ(広島市)と、コンビニエンスストアのセブン―イレブンを傘下に持つ流通大手セブン&アイ・ホールディングス(東京)が、電子マネーの相互利用を始めた。イズミの「ゆめか」とセブンの「nanaco(ナナコ)」が県内のスーパー、コンビニ計98店舗で使える。連携を深めて顧客を囲い込み、大手スーパー・フジ(松山市)との資本・業務提携など、中四国で攻勢を強める流通大手イオンに対抗する構えだ。
徳島県内は、ゆめタウン徳島(藍住町)と、イズミ傘下の食品スーパー・デイリーマート(美馬市)7店舗、セブン―イレブン90店舗が対象。双方のカードで支払いや電子マネーチャージ(入金)ができるほか、ポイントも付与される。
4月に結んだ業務提携の一環。両社は、量販店とコンビニの客層や品ぞろえの違いなどを補完し合え、利便性が向上できるといった効果を期待する。
イズミは「ゆめか利用者は女性や高齢者が9割を占める。新たに単身者や男性客などの需要を掘り起こせる」とメリットを強調。デイリーマートの藤原武志社長も「ゆめかより利用者が多いナナコと連携する意義は大きい。今後、単身者の需要も意識して小容量の総菜や生鮮食品の品ぞろえを充実させたい」と意気込む。
中四国の流通業界では、イオンが経営基盤を強化するため、マルナカ(高松市)など子会社の食品スーパー3社を21年3月までに経営統合。フジとも電子マネーの共同利用などで協力する方針を打ち出している。今後、地元の企業を含めた競争が厳しさを増しそうだ。