勝浦町のミカン農家などでつくる「勝浦みかん生産販売促進協議会」は、貯蔵用の晩生(おくて)ミカンの収穫が11月中旬から本格化するのを控え、農家の人手確保を支援する「みかん収穫お助け隊」事業を始めた。人口減少や高齢化で労働力不足に悩む農家が増えていることから、ハローワークを通じてアルバイトの求人を行い、町外から若者や農閑期の生産者らに来てもらう。
町によると、町内のミカン農家は約450戸。生産者は、繁忙期には親族や知人らに応援を頼んでいるが、高齢化などで町内では思うように人手を確保できない農家が目立ってきた。このため、協議会が短期アルバイトを募集することを企画した。
協議会が農家に意向を聞いたところ9戸が希望し、事務手続きを代行して県内のハローワークに求人案内を出した。アルバイトの期間は11月中旬から12月下旬にかけてで、募集人数は各戸1~5人の計22人程度。仕事の内容と日給は、「収穫や選別」が6500円、「コンテナの積み込み、運搬、貯蔵」が8000円となっている。
希望者の面接など採用は各農家が行う。アルバイトの期間が終わると、各農家がミカン10キロを、協議会がミカンの加工品などをそれぞれ贈る。
求人を出した同町久国の市原賦之さん(35)は、大阪府からUターンして3年前にミカン栽培を始めた。現在は62アールの畑を一人で手掛けており、「新規就農者は人手を集めるのが難しい。今年を乗り切れるかどうか不安で、一人でも手伝いに来てくれたら」と期待を込めた。
問い合わせは、協議会事務局の町産業交流課<電0885(42)1505>。