秋祭りで地域住民と一緒にみこしを担ぐ西崎さん(左端)と大原さん(右から2人目)=三好市池田町川崎

秋祭りで地域住民と一緒にみこしを担ぐ西崎さん(左端)と大原さん(右から2人目)=三好市池田町川崎

 三好市池田町で移住やサテライトオフィス進出の支援施設「heso camp(へそキャンプ)」を営む西崎健人さん(32)が、地域に根付く祭りに都市部からの参加を呼び掛け、体験してもらう取り組みを始めた。住民との交流を通して、何度も観光に訪れるリピーターや移住希望者を増やすとともに、祭りの担い手の確保につなげる。

 西崎さんは、2014年に東京から移住して、「池田に人の往来を増やしたい」と古民家を活用したへそキャンプや交流バー、イベントスペースを運営している。

 祭りの体験は10月19日、約300年続く三所神社(同市池田町川崎)の秋祭りで実施した。自身のフェイスブックを通じて参加を募ったところ、東京都と北島町から30代と40代の男性2人が訪れ、住民と一緒にみこしを担いだ。

 訪れたうちの1人、東京都の自営業大原学さん(33)は「お接待で郷土料理をいただいたし、地元の人とたくさん話ができた。次は人を連れてきたい」と喜んでいた。

 同神社のみこしを担ぐ地元住民の「みこしぐみ」の上西孝会長(66)=同市池田町川崎、民宿経営=によると、みこしは16人で担ぐが近年は参加する人が減り、担い手の年齢も50~60代が中心となっている。交代要員が確保できず、練り歩く距離も短くなったという。現状を知った西崎さんが都市部から人を呼ぶことを住民に提案し、体験者を受け入れることになった。

 今後も、地域の希望を聞きながら都市部の住民らとの橋渡しを行う。西崎さんは「祭りに参加することでより深く地域に触れてもらえるのでは。ゆくゆくは訪日外国人旅行客獲得にもつなげたい」と話している。