漆指物家具の親子展を開く川口博信さん(右)と了意さん=那賀町雄

 那賀町雄で伝統の「吹き漆指物家具」の工房を営む川口博信さん(63)と長男了意さん(29)の初の親子展が、2日から徳島市立木工会館で開かれる。くぎを使わずに家具を組み立て、漆を薄く重ね塗りして仕上げる熟練技法の粋を、じっくり堪能できる絶好の機会。父の下で約8年間、修行してきた了意さんは「日本古来の漆器の良さや、木の持つ温かみを感じてもらいたい」と意気込んでいる。20日まで。

 親子展では、高さ約1・8メートルの食器棚からテーブル、椅子、スプーンなどの小物まで、それぞれが手掛けた作品や共同作品約30点を展示即売する。

 吹き漆は、木地に生漆を塗っては布で拭き取る作業を、5~30回ほど繰り返して浸透させ、木目を美しい艶と共に浮かび上がらせる技法。

 徳島市地場産業振興協会の上杉和夫理事長によると、木地の状態を見極めた上での漆の塗布や塗布作業ごとの乾燥など、手間と経験が求められる。県内では現在、この技法で家具を作るのは川口さんの工房だけという。

 後継者の了意さんは高校卒業後、東京の家具メーカーに就職し、22歳の時に帰郷。父親に弟子入りし、その背を見て漆塗りや指物などの技術継承を目指している。これまで工房の展示会で父親の制作を手伝ったことはあるが、自身の作品を発表するのは初めて。

 川口さんは、了意さんについて「指物師として、言われたことはできるようになった。今後は自分で考え、一人の作家として若い感性を生かしたオリジナル作品を目指してほしい」と背中を押す。

 了意さんは「本物を目指せば道は開ける。父のような指物師を目指し、この道で勝負したい」と話している。