油圧機器メーカーKYBと子会社による免震・制振装置のデータ改ざん問題の発覚から10日が過ぎた。徳島県内では、不正や不正疑いのある装置が9施設で使われているが、施設名は公表されず、装置の調査時期などについても施設管理者らと協議していない。KYBの対応のずさんさを指摘する声が相次いでおり、混乱は長期化しそうだ。27日には徳島市のマンションでKYB子会社製の免震オイルダンパーが使われていることが分かった。

「クレエ秋田町」に使用されている免震オイルダンパー=徳島市秋田町4

 徳島新聞の取材などでは、不正や不正疑いがある免震装置が使われている県内9施設には、県立中央病院(徳島市)とNHK徳島放送局(同)が含まれている。このほか吉野川医療センター(吉野川市)と、マンション「クレエ秋田町」(徳島市)でKYB子会社製の装置が使われており、施工業者を通じて、問題のある製品かどうかを確認している。

 KYBは、問題のある製品が使われていた三重や高知などの一部施設では交換時期などを示しているものの、県内施設への対応は遅れている。27日時点で具体的に協議が進んでいる施設はない。

 クレエ秋田町の運営会社の男性会長(66)は「KYB側から謝罪の電話もなく、対応があまりにずさんだ」と憤る。KYB子会社製のダンパーが設置されていると確認した後、不正な製品かどうかをKYBに問い合わせているが現在も回答がないという。

 会長は「安全性を売りにしてマンションを建てたのに、入居者を裏切る結果になっている。速やかに対応してほしい」と訴える。

 県立中央病院では、KYB子会社製のダンパー20基のうち13基が契約基準外の製品だった。所管する県病院局は早期交換を求めるが、KYB側は「担当者が不在」「改めて検討したい」との回答を続けているという。病院局は「病院施設という重要性を鑑み一刻も早く交換してほしい」としている。

 KYBは徳島新聞の取材に「社員全員で対応に当たっているが、地域によってタイムラグが出ている。大変申し訳なく思っている」と謝罪した。

 免震・制振装置の検査データ改ざんは、土木建築機材などを手掛ける川金ホールディングス(埼玉県川口市)製の装置でも発覚した。県内では2施設が該当。このうちの一つは県営小松島団地1号棟(小松島市)で、県はデータが改ざんされた制振装置が使われていると発表した。

 徳島市内のマンション KYB子会社製のダンパー4基設置

 27日、KYB子会社製の免震オイルダンパーが使われていることが分かった徳島市秋田町4のマンション「クレエ秋田町」(鉄筋コンクリート8階建て)では、新築工事を進めていた2010年7月に地下の基礎部分に4基が設置された。

 県内の民間マンションで設置が確認されたのは初めて。KYBのデータ改ざん問題が17日に発覚した後、施工業者からマンションの運営会社に連絡があり、判明した。