[上]クマザサが丸く枯れている部分が目立つ剣山の斜面 [下]ササコナフキツノアブラムシ(全国農村教育協会発刊「アブラムシ入門図鑑」より)

 西日本第2の高峰・剣山(1955メートル)の山頂付近でミヤマクマザサの葉が枯死している。葉の汁を吸うアブラムシの一種のササコナフキツノアブラムシが異常繁殖しているのが原因。アブラムシは気温が低下すると死滅するため被害が拡大する恐れはないとみられており、徳島県は「専門家の意見を聞きながら経過を見守りたい」としている。

 ミヤマクマザサの葉が枯れ始めたのは9月下旬。剣山山頂から一ノ森、ジロウギュウにかけ繁茂していたが、クレーター状に枯れた場所が点在するようになり、登山者から心配する声が上がった。

 剣山頂上ヒュッテから連絡を受けた県環境首都課が調査し、裏に付着したササコナフキツノアブラムシによる被害と分かった。県立博物館の山田量崇(かずたか)学芸員(昆虫担当)によると、アブラムシの排せつ物からカビが発生し、葉を枯らした。

 このアブラムシは降水量が少ない年に異常繁殖するとされるが、詳しい生態は分かっていない。徳島地方気象台によると、剣山に近い三好市東祖谷京上の9月降水量は299ミリと平年(317・1ミリ)をやや下回っていた。

 山田学芸員は「ササコナフキツノアブラムシは気温が低下し雪が降ると死滅する。来年、クマザサは回復するだろう」と話している。県が10月19日に再調査したところ、アブラムシはほぼ死滅していた。

 剣山周辺では2008年に徳島・高知県境の三嶺(1893メートル)などで同様の被害が発生した。