28日に阿南市桑野町のJAアグリあなんスタジアムで開かれた第4回県500歳野球大会(市、徳島新聞社主催)の決勝は、オール徳島ベースボールクラブ(吉野川市)が桑野体協実年(阿南市)を4―2で下し、初出場で栄冠に輝いた。1点を追う五回表に2者連続タイムリーで3点を挙げて逆転し、その裏を抑えた。両チームには、来年7月13~15日に秋田県大仙市で開かれる「第3回全国500歳野球大会」の出場権が与えられた。

 

 国体経験者ら土壇場で底力 オール徳島

決勝・オール徳島対桑野体協実年 5回表2死二、三塁、オール徳島の伊勢さんが2点適時打を放ち逆転する=阿南市のJAアグリあなんスタジアム

 「よっしゃ」。最後の打者が内野ゴロに倒れた瞬間、オール徳島のメンバー=写真=はハイタッチや握手で初優勝の喜びをかみしめた。

 初出場だったが、国体や甲子園を経験したメンバーが多くそろい、前評判は高かった。しかし、勝ち進むにつれ苦戦した。3回戦以降の3試合はいずれも終盤までリードされる展開。劣勢をはね返したのは「かつて修羅場をくぐり抜けた選手たちの経験値の高さ」(古谷徳美監督)だった。

 決勝は土壇場で底力を見せた。2死二、三塁の好機で打席に立ったのは3番・伊勢亨さん(54)=徳島市川内町宮島。「何とかしようという気持ち」で振り抜いた打球は、中前への殊勲打となった。

 最高殊勲選手賞に選ばれた伊勢さんは「みんなで戦った結果」と誇らしげ。小西努主将(53)=鳴門市撫養町弁財天=は「逆転の連続で鳥肌が立った。野球の本質が楽しめた」と興奮した様子で振り返った。

 

 

 前回4強から前進 桑野体協

 前回準優勝の美馬を初戦で破った勢いそのままに決勝まで勝ち上がった桑野体協実年。準々決勝、準決勝では2桁得点をマークした打線が、三回から投げた相手エースの速球を攻略できず、初優勝に一歩届かなかった。

 

 山川聡さん(50)=阿南市山口町、写真(左)=が一回裏に2点本塁打を放って波に乗るかと思われたが、三回以降は凡打の山を築かれ1安打無得点。山川さんは「制球良くコースを突かれた」と悔しさをかみしめた。

 2年連続4強止まりの同チーム。地元勢として必勝を期し、同市のリーグ戦2試合を辞退して照準を合わせてきただけに、1点リードで迎えた最終五回の3失点は痛かった。

 初戦から全4試合に先発した久米誠一さん(57)=同市山口町、同(右)=は「勝利を意識して力が入ってしまった。来年勝つための課題にしたい」と再起を誓った。