3日付で発表された秋の叙勲で、徳島市の姉妹都市・米サギノー市の全権特命公使を務めるモスナー陽子さん(83)が旭日単光章に選ばれ、徳島市の関係者から祝福の声が上がっている。両市が姉妹都市となった55年前から友好事業に関わり、市民同士の交流を支え続けてきた功績に、感謝の言葉も相次いだ。
モスナーさんは東京都三鷹市出身。結婚を機に1957年に渡米し、両市が姉妹都市提携を結んだ61年から交流活動に取り組んでいる。両市の友好のシンボルである茶室「阿波鷺能(サギノー)庵」の開設(86年)に尽力。現在は運営責任者として毎月茶会を開き、年間2千人以上が訪れている。
モスナーさんは「身に余る光栄。両市の交流が長く続いているのは、徳島の皆さんが熱心に活動してくれているおかげ」と受章を喜び、「命ある限り活動を続け、両市の友情を若い世代にも広げていきたい」とさらなる意欲を見せている。
関係者の間には受章をたたえる声が広がっている。今年7月、徳島市の親善訪問団長としてサギノー市を訪れた森住博さん(71)=徳島市寺島本町東3、市国際交流協会会長=は「こんなにうれしいことはない。55年にわたる両市の友好交流は、モスナーさんの支えがあってこそだ」と目を細める。
親善訪問の際に阿波鷺能庵で開かれた記念茶会でお点前を披露した裏千家淡交会徳島支部参与の春藤美知子さん(68)=同市方上町鶴島=も「本当に素晴らしい人。長年にわたる功績を考えると、もっと早く受章していてもいいくらい」と話した。
徳島市総務課は「両市民の交流の中心になって尽力してくれた。モスナーさんが築いてくれた両市の友情を引き続き大事にしていきたい」とし、モスナーさんに近く祝辞文を送る。