10月に入っても収穫できるスダチの新品種=勝浦町の果樹試験地

 徳島県立農林水産総合技術支援センターは、10月に入っても果皮が濃い緑の晩生スダチの新品種を開発した。一般的な品種より遅く出荷できる上に収穫時期が分散されるため、販売単価の向上や農家の負担軽減が期待される。スダチの貯蔵試験の失敗がきっかけとなり、研究に着手してから8年で育成のめどが立った。

 スダチは通常、盆明けから9月中旬までが収穫期。収穫せずに置いておくと色が薄くなり、出荷できなくなる。新品種は10月上旬でも果皮が濃い緑なのが特長。果肉の色もスダチらしい薄緑で商品価値が高い。

 一般品種と晩生の新品種を一緒に栽培すると、収穫時期がずれるため農家の負担軽減につながる。新品種を収穫後に貯蔵し、スダチが品薄となる11~12月に出荷すれば高値で販売できる利点もある。

 2008年度にスダチをポリ袋に入れて密封し、冷蔵庫に入れて行った貯蔵試験が開発のきっかけとなった。その際、袋に穴が開いていて試験は失敗に終わったが、黄色くなった実の中に一つだけ濃い緑のものがあった。種を取り出し、勝浦町のセンター果樹試験地で育成。13年度に初めて実がなり、14年度から3年間の試験で晩生の特長が確認できた。

 今後、石井町のセンター敷地での試験と、農家の畑で栽培する現地適応性試験を並行して行い、品種登録を目指す。

 センターによると、県内のスダチ栽培面積は03年度の565ヘクタールに対し、13年度は432ヘクタールで10年間で133ヘクタール減少した。農家の高齢化で作業の負担感が増していることが一因。

 開発担当者の一人でセンター農産園芸研究課の津村哲宏研究係長は「新品種が普及し、収穫期間が延びれば栽培面積の拡大が期待できる」と話している。