インターネットを通じて授業を行う藤村准教授(右端)ら。画面越しに他の院生も参加している=鳴門教育大

 現場の教員や教育関係者がインターネットを通じて修士号を取得できる鳴門教育大大学院の「遠隔教育プログラム」が注目を集めている。大学に通わずに自宅や職場で学べるとあって、国内だけでなく海外で授業を受ける人もいる。

 プログラムでは、好きな時に視聴できるビデオ形式の授業や、テレビ会議システムを使って複数人が議論するゼミを実施。いじめや不登校などの未然防止について学ぶ「予防教育科学」、防災などを扱う「学校危機管理研究」といった科目を履修し、大学院の「現代教育課題総合コース」を修了する。

 週1回のゼミ以外は日時を自由に調整でき、実際にキャンパスに足を運ぶのは夏休みなど長期休暇中の数日だけ。2年分の学費で3年間学べる「長期履修」も可能で、多忙な教員らに好評だ。

 鳴教大に「大学院に行きたいが職場を離れられない」「キャンパスが遠くて通えない」などの声が寄せられたのをきっかけに、2014年度にプログラムを導入。3年間に日本と中国・上海の21人が入学した。

 愛媛県松前町の認定こども園子育て支援センター長の久松慶子さん(39)は15年度に入学し、幼児期の価値観形成について研究している。国内外の学会で発表するほどになり「こんなに濃密で充実した学生生活が送れるなんて想像もしていなかった」と言う。

 プログラムを担当する藤村裕一准教授(教育工学)は「現役の教員が教育問題について研究することは、現場での課題解決につながる。より良い教育環境づくりにつなげてほしい」と期待している。