任意同行に応じ、事務所を出る山下容疑者=午前6時50分ごろ、つるぎ町貞光太田東

 徳島県警捜査2課と美馬署は10日、成年後見制度を悪用し、県内に住む被後見人の60代男性の財産約150万円を着服したとして、県社会福祉会の元副会長だったつるぎ町貞光太田西、社会福祉士山下夏樹容疑者(49)を業務上横領の疑いで逮捕した。山下容疑者は「間違いない」と容疑を認めている。他にも県内の男女4人の財産計数百万円を横領した疑いがあり、県警は余罪を調べている。

 逮捕容疑は、2014年1月初旬~5月初旬、3回にわたり60代男性の銀行口座から約160万円を引き出し、そのうち約150万円を着服したとしている。

 捜査2課によると、山下容疑者は横領金の使途について「経営する介護支援事業所の資金繰りが苦しく、従業員の給料などに充てた」と供述している。今回引き出した現金のうち、約10万円は男性の生活費などに使っていた。

 山下容疑者は徳島家裁の選任を受け、12年から認知症などを抱える60代男性の財産管理に従事し、医療費や国民保険料の支払いなどを行っていた。家裁に後見業務の報告をする際には、数字を書き換えるなどした預金通帳のコピーを提出していたとみられる。

 家裁が6月、男性を含む男女5人の財産計数百万円を着服したとして同容疑で刑事告発し、県警が捜査を進めていた。男性以外の4人の金融機関の口座からは使途不明の数百万円が引き出された形跡があるといい、県警は余罪や横領の経緯について調べている。