徳島県内の大学や企業関係者らが、国際奉仕団体キワニスクラブの支部組織となる「徳島キワニスクラブ」(仮称)を来年2月に発足させるため、準備を進めている。子どもの貧困や虐待が問題となる中、子どもたちに無料、格安で食事を提供する「子ども食堂」や児童福祉施設などへの支援を充実させようと立ち上がった。県内で同クラブが設立されるのは初めて。
キワニスクラブは米国に本部があり、ライオンズクラブ、ロータリークラブと共に世界三大奉仕団体の一つとされている。子どもへの奉仕活動を中心に活動し、世界85カ国に約7300のクラブ(会員約20万人)、国内に33クラブ(約1900人)がある。
徳島での設立に向けた動きは、国際キワニス日本地区成長戦略委員長を務めている熊本キワニスクラブ元会長の米澤房朝(ふさとも)さん(72)=熊本市、会社社長=が、同市出身で長年親交のある徳島大学病院長の永廣信治さん(64)らに3月に呼び掛けたのがきっかけ。
趣旨に賛同した大学や企業の関係者、弁護士ら約20人が集まり、これまでに設立準備会を2回開いて規約や発足に向けたスケジュールなどを詰めている。
主な活動として、子ども食堂への寄付や児童福祉施設への慰問、病気の子どもが手術の怖さや入院生活の不安を取り除くために使う人形「キワニスドール」の普及などを想定している。年内に徳島市で設立総会を開き、正式発足となる国際認証式の来年2月開催を目指す。
永廣さんは「未来を担う子どもたちをサポートする非常に有意義な活動。県内の企業や個人にクラブへの参加を呼び掛け、支援の輪を広げたい」と話している。