農地の区画整理事業で掘り出された土壌改良剤を含む土砂=阿南市長生町

 徳島県が、阿南市長生町のほ場整備事業で掘り起こした土壌改良剤を2週間余りにわたって山積みのまま放置し、住民から「周辺に飛散する怖れがある」と指摘を受けていたことが29日、分かった。有害物質は含まないものの、産業廃棄物として扱う必要があり、県はシートで覆うなど飛散を防ぐ対応をとった。

 県は9月上旬から現地で約4・5ヘクタールの区画整理に着手。水路整備のため掘り返した農地の一部から、約30年前に水はけを良くするために埋められた土壌改良剤が出てきたが、全てを掘り出してから撤去しようと、10月8日から農地の数カ所に山積みしていた。

 県は住民から24日に指摘を受け、25日に土のう袋に詰めたり、ビニールシートをかぶせたりといった飛散防止対策を業者に指示した。年内にも撤去を終える。

 土壌改良剤は製紙汚泥を焼成処理するなどしたもので、県によると、有害な物質は含まれていない。不用になった際は廃棄物処理法で産業廃棄物とみなされ、飛散・流出防止などの措置が求められている。県南部県民局の担当者は「配慮が足りず住民に不安を与えてしまった。撤去を急ぎたい」と話している。