太陽光発電の電力だけを使った野外音楽フェス「阿波国(あわのくに)・ザ・ソーラーブドウカン」が10月13日、松茂町の月見ケ丘海浜公園で初めて開かれた。力のこもったパフォーマンスで会場を熱く盛り上げたアーティストにインタビューし、ステージの感想や来年以降の開催に向けたメッセージを聞いた。 

a flood of circle

 

 -佐藤さんとの出会いは。

 佐々木亮介さん ソーラーブドウカンが始まる前に、代官山の弾き語りイベントで会いました。音楽界の先輩という感じでしたが、その時はあまり話せませんでした。

 関係が濃くなったのは、中津川のソーラーブドウカンに参加してからです。それを機にタイジさんが僕らのことをかわいがってくれるようになりました。

 僕たちもタイジさんを尊敬していますし、ソーラーブドウカンはすごい発明だと思っています。呼ばれたらどこでも参加しようと思っていたら、徳島まで来ちゃいました。

 -佐藤さんの存在は。

 渡邊一丘さん 兄貴であり先輩でもありますが、存在が大きすぎて太陽の化身みたいです。みんなを包み込んでくれます。打ち上げとかでも、すごくもてなしてくれて盛り上げてくれて、お客さんだけじゃなく出演者も最後まで楽しんでいます。

 -ソーラーブドウカンの趣旨について。

 佐々木さん 僕は非常に共感してますし、震災後間もない2012年からソーラー電力で何かができるはずだという思いを抱き、それを現実にするという姿勢が最高だと思います。

 クリーンエネルギーでフェスを開催するという、自分の思いを伝える手段が素晴らしくて、よく発明したなと感心しました。

©平野大輔

 -徳島のステージの感想は。

 アオキテツさん 中津川でやっていることを、ギュッと凝縮したイメージです。

 HISAYOさん 中津川もそうですけど、他のフェスにはない独特の空気がありますね。お客さんの雰囲気がピースフルで距離も近く、過ごしやすいです。場所が違うのに、中津川と阿波国でお客さんの雰囲気が同じだと思いました。

 渡邊さん ここに住みたいと思いました。会場全てが俺の体にフィットしていますし、自然が最高です。

 -佐藤さんにメッセージを。

 佐々木さん 太陽光発電の良さを徳島の人に見てもらうということは意義深いと思いますし、それと同じくらい地元・徳島でイベントをやりたい気持ちがあったと思います。

 タイジさんは以前から「地元にはフェスもなくて、シャッター商店街が嫌なんだ」と言っていました。そんな彼の地元を愛する気持ちと行動力は尊敬しますし、「偉いぞタイジと」思っています。

 -徳島のファンにメッセージを。

 渡邊さん 時間がある時に会場を歩いてみたら、お客さんとの距離が近く感じられて、良いレスポンスをもらいました。久しぶりに徳島に来ましたが、またすぐに徳島に来たいです。

NakamuraEmiさん

 

 -負傷したさかいゆうさんに代わって急きょ出演が決まった。

 去年から中津川のソーラーブドウカンに出せていただいていて、そのご縁で今回お声掛けいただけてうれしかったですし、徳島での初開催にぜひ参加させていただきたくてお受けしました。

 今日は本来ならレコーディングをする予定だったんですが、そのレコーディングメンバーが一緒に来てくれることになって、リハーサルもしてないのに素晴らしい演奏をしてくれました。

 -徳島でのライブの手応えは。

 2週間前に徳島で初めてライブを行わせていただいたんですが、初めて私のライブに来ていただいた方も多いのに、一緒に歌ったり手拍子をしていただいたりして一生懸命聞いてくださいました。

 今日のお客さんも同じで、とても温かい雰囲気の中で気持ち良くパフォーマンスできました。お店の方やスタッフさんもみんな良い人で、徳島の人は温かいなという印象を持っています。

©平野大輔

 -ソーラーブドウカンの意義をどう感じているか。

 去年以降、太陽光発電の電力を使ったライブに5回出させていただいたんですが、普段当たり前のように使っている電気のことを体で感じながら一つ一つの音を出すというのは新鮮な体験です。

 こういう取り組みがどんどん広まればいいと思いますし、私たちが太陽の力を借りて演奏したクリアな音楽を太陽光発電でレコーディングするとか、いろんなことに挑戦したいと思います。

 -佐藤さんは来年以降もフェスを続ける考えだ。

 私は神奈川県厚木市出身で、地元を盛り上げられる人間になりたいと思っているんですが、実際に徳島のために立ち上がって大きなフェスを開かれたタイジさんの姿勢には刺激を受けます。

 その初回に関わらせていただけたのはすごくうれしいですし、自分もでっかくなってまた呼んでいただけるように頑張りたいです。徳島の人の協力でこのフェスが大きく育ててほしいですね。

佐藤タイジさん

©平野大輔

 -初の徳島開催を終えた感想は。

 多くのアーティストと来場者のおかげで大盛況に終わって感無量です。毎年開いている中津川と同じく最高の天気で、太陽が味方してくれるイベントだと実感しました。

 地元・徳島での開催には自分自身の原点回帰と、古里を活性化させたいという特別な思いがありました。そういう意味でも、成功させることができてほっとしています。

©平野大輔

 -出演者は豪華な顔触れがそろった。

 友達のアーティストばかりなので、自分のために徳島まで駆け付けてくれて本当に幸せです。入場無料のイベントだったにも関わらず、参加してくれて感謝しています。

 -来年以降の継続開催を望む声は多い。

 自然エネルギーの普及や徳島の活性化という目標を実現するには続けることが大事で、来年以降も開催するつもりです。規模を大きくするだけでなく、意味のあるイベントに育てて行きたいです。

©平野大輔