徳島市が新町西地区再開発事業を白紙撤回するのに伴い設置した中心市街地活性化推進本部(本部長・遠藤彰良市長)の下部組織「音楽・芸術ホール整備推進有識者会議」は11日、同市のホテル千秋閣で第4回会合を開き、市への提言案をまとめた。新ホール整備を最優先に着手すべきだとした上で、新ホール完成までの文化施設の確保策として市が提案した市文化センター(2015年3月末で閉館)の耐震改修、改築についてはいずれも否定的な見解を示した。

 委員11人中9人が出席。提言案では、新ホール整備について「一日も早い開館を目指し、整備への早期着手が必要不可欠」との考えを示した。新町西地区再開発事業で中核施設として位置付けた音楽芸術ホールの建設計画を踏襲すれば、設計や工事に長期間かかることはなく、23年度に開館できるとした。民間の資金やノウハウを生かすPFI方式などの導入を薦めている。

 規模については「一線級の芸術鑑賞機会提供には1800~2000席程度が必要と考えられる」「市民活動の発表の場としては1000~1500席程度が使いやすい」など、複数の委員の意見を並べ、建設場所などに合わせて検討する必要があるとした。

 市内に大ホールがない空白期間を埋める方策として浮上した文化センターの改修と改築については、コストや整備期間などの観点から「効率的ではない」と指摘。大ホールがある県内他市町と連携するなどして対応するよう求めている。

 提言案については、委員から「席数に幅を持たせると小さい方になってしまう」「県と市が協調すべきだという点をもっと目立つようにした方がいい」などの意見があった。これを踏まえて提言書を作り、15日に市長に提出する。

 新町西地区再開発事業では約1500席の大ホールと約300席の小ホールを整備し、18年度末を完成予定としていた。