日本の航空史の発展に貢献した県人を顕彰する活動をしている小松島市の市民団体「イマジンクラブ」は、戦前に二重式パラシュートを考案した那賀郡今津村(現・阿南市那賀川町)の佐藤惣吉(1902~38年)の顕彰活動を始める。第1弾として、パラシュート状の布を使った餅投げをする企画を行い、佐藤の功績について知ってもらう。
那賀川町史などによると、菓子職人だった佐藤は航空機が好きで、吉野川での催しでパラシュート事故を目撃したことなどから、私財を投じて安全に着地できるパラシュートの研究に没頭した。補助傘を先に開いて主傘を引き出す構造や、空気抵抗を制御する滑車を開発して特許を取り、昭和初期に小松島市の横須海岸で実証実験を成功させた。
餅投げの企画では、依頼を受けてイベント会場などに赴き、パラシュートに似た円形のナイロン製バルーン(直径約2・5メートル)に主催者が用意した餅を載せ、一気にばらまく。
クラブの澤内健司さん(44)=同市中田町、不動産業=は「堅苦しい講演などでは市民の関心はなかなか引けない。多くの人に楽しんでもらいながら、功績を知らせたい」と話している。餅投げの依頼や問い合わせは澤内さん<電080(1009)1009>。
クラブは、日本の民間パイロットの草分け的存在で小松島市出身の幾原知重(1887~1914年)らを顕彰する活動を行っている。