石垣を整備した実行委のメンバー(手前)と、イベントのリハーサルに励む学生=上勝町福原

 上勝町福原の杉地地区の住民らが、地元の標高約650メートルの民家跡に残る大規模な石垣「吉成家の石垣」で進めていた景観整備を完了させた。過疎や高齢化が進む地域の活性化に役立てようと、3年がかりで周辺に生い茂っていた木を伐採するなどした。19日、石垣をライトアップするなど現地でイベントを開いて披露する。

 石垣は、江戸時代に住んでいた吉成一族が造ったとされ、約30メートルの区間に高さ1~4メートルの5段がある。竹田城(兵庫県)などと同じ「穴太積み」の技法で築かれている。近くには、トンネル型の農業用水道路「吉成の隧道」もある。

 杉地地区は50年ほど前には100人以上の住民がいたが、現在は3世帯5人に減少。石垣の場所にも60年ほど前までは民家があったが、以降は無人となってスギが生い茂っていた。実行委代表の平井真夫さん(77)らが保存に取り組み、観光資源にして人を呼び込もうと企画。所有者の協力を得て2014年ごろから、町外へ転出した住民らも加わって整備に乗り出した。

 総勢20人弱が参加して月に数回作業を実施し、石垣が見やすいようにスギの木を伐採したり、シダレザクラ15本を植えたりした。近くに休憩所となるあずまやも建てた。「整備をきっかけにさまざまな人が集まり、活気が戻った」と平井さんは語る。

 イベントは午後3時開始で、ライトアップは同5時40分から。石垣に住民の取り組みなどを紹介する映像をプロジェクターで投影するほか、徳島市のNPO法人・グリーンバードに所属する徳島大生らが石垣や隧道を案内するツアーを行う。阿波踊りやバンド演奏なども披露される。

 平井さんは「若い人の協力もあり、とても楽しいお披露目イベントになるはず。ぜひ見に来てほしい」と呼び掛けている。

 駐車場に限りがあるため、月ケ谷温泉からシャトルバスを運行する。問い合わせは平井さん<電090(4335)4312>。