徳島、小松島両市と石井、勝浦、松茂、北島の4町が広域ごみ処理施設の建設候補地を、徳島市飯谷町枇杷ノ久保にある民間業者の採石場の跡地に決めたことが17日、分かった。6市町の首長が今月初旬に合意した。徳島市は市議会12月定例会に報告した後、説明会を開くなどして地元住民の理解を得ていく方針。
ごみ処理施設の候補地は、採石事業を行う「旭鉱石」(同所)と地権者3人が所有する約15ヘクタールのうちの約10ヘクタールで、同社が採石を終えた跡地。同社はこの隣接地で、一般・産業廃棄物の焼却やプラスチックごみのリサイクル事業を行っている。
候補地の選定を巡っては、徳島市が採石場跡地を含む6カ所、小松島市が1カ所の計7カ所を提案した。
徳島市は9~10月、学識経験者や市幹部の計7人でつくる選定委員会を設けて▽地震や津波の影響を受けにくい「安全・安心の確保」▽周辺道路の混雑が少ない「環境への配慮」▽土地の造成費にどの程度必要かといった「財政運営」-の三つの観点から6カ所を採点し、飯谷町の採石場跡地を候補地に決めた。小松島市も同様の方法で1カ所を採点した結果、採石場跡地の評価が上回った。
候補地を購入するか賃借するかは決まっておらず、徳島市が旭鉱石などと協議を進める。
徳島市は17日、旭鉱石の担当者や地元住民の代表者らに、候補地が決まったことを伝えた。同社は「ごみ処理施設は必要な施設で徳島市の方針に協力したいと考えている。市は地元住民の考えを丁寧にくみ取りながら事業を進めてほしい」と話した。市幹部は「早期に住民の理解を得たい」としている。
6市町は年内に建設費などの費用負担の在り方を決め、来年3月にこれらの決定事項を盛り込んだ基本協定を締結することにしている。