保育施設への入所希望者が急増し、待機児童対策が課題となっている藍住町で2017年度、新たな認可保育所(定員40人)が開設される。徳島県内への進出を検討していたニチイ学館(東京)が県内で初めて開設するもので、町内の保育所は1カ所の町立保育所を含め5カ所になる。ただ、町内の入所希望者は今後さらに増えるとみられており、直ちに待機児童解消につながるかは不透明だ。
新たな保育所は「ニチイキッズあいずみ北保育園」。同町住吉の民有地に建設し、293平方メートルの園舎に、0~3歳児の保育室、給食室、職員室などを設ける。園庭は258平方メートル。11月中旬にも着工し、3月の完成を予定している。
ニチイ学館の広報課によると、同社は03年に保育事業に参入し、現在、全国で28の認可保育所を運営している。同課は今回の保育所開設について「藍住町は若い世代の転入が多く、女性の社会進出も進んでいるため、開設を決めた」とする。
町内の保育所への入所希望者は年々増加している。16年度の希望者は、15年12月の1次募集の時点で総定員514人を大幅に上回る577人で、4年前より約160人増えていた。町は既存の保育所の増築などで定員を増やしたが、今年4月で28人、10月で65人の待機児童がおり、追い付いていない。
今年も12月に1次募集を行うが、希望者は前年度を上回ると予測されている。町福祉課は「18年度には別の組織が新たな認可保育所開設の準備をしており、引き続き定員の増員に努めたい」としている。