そごう徳島店(徳島市)が、インターネットを取り入れた店頭販売を強化している。店内に置いていない商品を買えるようにし、京阪神に流れていた顧客を取り戻すのが目的。同市に来春オープンする大型量販店との競争激化に備え、有名ブランドなどの品ぞろえが豊富な百貨店らしさを打ち出す狙いもある。
2階化粧品売り場に「e.コスメステーション」と名付けたコーナーを設けた。店頭に置いている19ブランドの化粧品に加え、そごうのショッピングサイト「e.デパート」から選べるようにし、取り扱いブランドは約160ブランドに増えた。
コーナーにはタブレット端末と使用感を試せるテスト用サンプルを備え、専任の女性販売員が対応する。送料は、そごうとコンビニのセブン-イレブンで受け取る場合にはかからず、自宅でも税込み3240円以上の商品の場合は無料となる。そごうとセブン-イレブンのポイントもたまるようにし、「他の通販サイトよりお得」とPRしている。
販売員は「20~30代の女性がアイシャドーやチーク、口紅を注文するケースが多い。大阪や神戸まで買いに行かなくて済むので助かる、といった声を頂いている」と話す。
化粧品だけでなく、食品や衣料品、シューズでも同様の販売法を展開。婦人服と婦人靴では「e.デパート」の商品を取り寄せ、サイズや素材感、着心地を試した上で購入するか決めるサービスも行っている。
そごう徳島店でネットを通じた販売の売上額は非公表だが、商品ジャンル別の売り上げシェア(10月)は化粧品が8割、食品と衣料品がおおむね1割ずつとなっている。
上向井宏之販売促進担当は「食品などのジャンルにも化粧品のようなコーナーを設け、取り組みを強化していきたい」と話している。