徳島文理大文学部(香川県さぬき市)の学生が、那賀町木頭南宇を訪れ、木頭ゆずの栽培地の分布を示す電子地図製作を始めた。県の「県南地域づくりキャンパス事業」の一環で、年度内に完成させ、町や県に提供して産地振興に活用してもらう。
文化財学科で自然地理学を学ぶ2、3年生の11人と教員2人が、2人一組になって木頭南宇地区を巡回。昭和40年代に製作された農用地形図を基に、転作されたり、耕作放棄されたりした畑を確認した。生産者への聞き取り調査も行った。
町によると、木頭ゆずの畑の正確な地図は昭和40年代以降更新されていない。学生らはユズを栽培する農家が多いことなどから、同地区の電子地図を作ることにした。地図は、写真や過去の情報を重ね合わせて表示する地理情報システム(GIS)として活用できるようにする。
古田昇教授(自然地理学)は「畑の立地や栽培の変遷などを知ることで、効果的な農業振興策が図れるのではないか」と話している。