[上]国史跡に追加指定されることになった鶴林寺の本堂=勝浦町生名[中]国史跡に追加指定されることになった太龍寺の本堂=阿南市加茂町[下]国史跡に追加指定されることになった雲辺寺道=三好市池田町(いずれも県教委提供)

 勝浦町の四国霊場20番札所・鶴林寺、阿南市の21番札所・太龍寺など3カ所が、国史跡「阿波遍路道」に追加指定されることになった。国の文化審議会が18日、松野博一文部科学相に答申した。四国霊場の札所では香川、高知両県の国分寺など3寺が古代の寺院跡として史跡指定されているが、札所寺院としての価値が評価されて指定されるのは、徳島の2寺が初めて。

 追加指定されるのは鶴林寺境内4・6ヘクタールと太龍寺境内6ヘクタール、三好市の66番札所・雲辺寺手前の雲辺寺道2・16キロ。四国遍路の成立や発展過程が分かる貴重な資料であることなどが評価された。

 太龍寺がある太龍寺山は弘法大師空海が修行したことを著書で確認できる数少ない場所の一つ。そのため太龍寺は12世紀末ごろから修行僧が形成した四国遍路の原型で既に霊場として位置付けられていたとみられている。

 鶴林寺は、周辺の鶴林寺道やかも道に14世紀後半の地域の有力者が寄進した霊場間の道のりを示す「町石」が多く残っていることから、当時既に厚い信仰の対象となっており、早い段階で四国遍路の霊場だったと考えられている。

 両寺とも建物の配置などの景観が江戸時代に描かれた絵とほぼ同じ姿をとどめている点も評価された。

 雲辺寺道は愛媛県四国中央市の65番札所・三角寺から雲辺寺に向かう延長18・1キロ。指定区間は札所までの道筋を示す道標や、距離を示す丁石、遍路の墓が残る昔ながらの景観が保たれている。

 今回の指定で県内にある国史跡の遍路道は10カ所、延長13・55キロになる。