芸術家を三好市に招いて作品制作に取り組んでもらう「アーティスト・イン・レジデンス(AIR)」(NPO法人マチトソラ主催)の招待作家2人が、同市池田町で活動を始めた。地酒をテーマに作品づくりを行い、来年2月に同市で開かれる現代アートイベント「マチトソラ芸術祭」で披露する。
同市を訪れているのは、神山町とオランダを拠点に映像作品などの創作を行っているあべさやかさん(36)=三重県出身=と、夫のマヌス・スウィーニーさん(37)=アイルランド出身。AIRの企画者で、元市地域おこし協力隊員の合田幸代さん(41)の居宅兼アトリエに、14日から滞在している。
2人は、同市で日本酒造りが盛んなことからテーマを「三好の地酒」に決めた。酒造会社や酒屋を訪れて、酒造りの工程を見学したり、住民とのかかわりや歴史について話を聞いたりしている。
今後、かつて使われていた酒瓶のラベルやほろ酔いの住民の表情を捉えた写真、手書きの絵などを組み合わせて映像を制作。並べた酒瓶などをスクリーンに見立てて投影する「プロジェクションマッピング」の手法で鑑賞してもらう。
あべさんらは「町の中や酒蔵に息づいている雰囲気を探り、作品に落とし込みたい」と意気込んでいる。