工地地区自主防災会会員の指導で、ドングリの苗をポットに移し替える平島小児童=同校

 南海トラフ巨大地震に備え、阿南市那賀川町工地に造成される人工高台「命山(いのちやま)」を緑で包もうと、平島小学校(同市)の児童がクヌギやウバメガシなどの苗を育てている。地元にできる津波避難施設に関心を持ち、防災意識を高めてもらうため、工地地区自主防災会が同校に協力を呼び掛けた。

 苗を育てているのは5年生58人。昨年12月、自主防災会員が近くの山で拾い集めたクヌギなどのドングリ約2千個を、校庭内に整備した花壇に植え、水やりなどを続けてきた。今月8日には30センチほどに育った苗を選び、防災会員と一緒にポット300個に移し替えた。

 児童が卒業前の来年秋に工地地区の畑に移動させ、防災会員が手入れを引き継ぐ。2019年度の命山の完成後は、頂上広場や山の周囲に植栽する計画だ。

 工地地区に住む村上裕紀君(10)は「自分たちの植えた木が高台で育つと、親しみがわく。頑張って育てたい」と意気込む。自主防災会の湯浅具展会長(70)=農業=は「地域住民にとって、緑の多い親しみのある公園になってほしい。子どもたちの防災への関心が高まるきっかけになれば」と話す。

 命山は、周囲に高い建物がない工地地区に津波避難場所を確保するため、市が造成を計画。頂上広場(550平方メートル)を備えた盛り土式の高台(海抜6・2メートル)で、災害時には周辺住民約180人の一時避難場所になる。平時は公園として利用される。