神山町神領で25~27日に開かれる高画質映像の祭典「第2回4K徳島映画祭」の一環として、県やサテライトオフィス(SO)でつくる実行委が、約500メートルある寄井商店街を丸ごと劇場に変える。「復興!寄井商店街」をテーマに、54の飲食や物販のブースを展開し、50年前には60軒を数えながら22軒まで減った商店街の再生へ機運を高める。
寄井商店街を「4K劇場商店街」と名付け、10カ所のシアターを設けるほか、26、27の両日にブースを出店する。町の特産スダチを効かせた鶏天をはじめ、地元野菜を使った豚汁、カレー、パイ、うどん、パンなどを販売。小型無人機ドローンの操縦体験や鹿革の小物作りなどのイベント、ワークショップを開く。伝統芸能の獅子舞や剣舞、雨乞踊り、傘踊り、襖(ふすま)からくりも披露される。
商店街にオフィスを置く高画質映像制作・保存の「えんがわ」の社員が、空き店舗や空き地が目立つ現状を目の当たりにして、再び人の波をつくろうと企画した。
映画祭は県と町、えんがわが、商店街をはじめ、町農村環境改善センターに2カ所、城西高校神山分校武道館に1カ所の計13シアターを設けて映画を上映する。
作品は、国内外の放送局、映像作家らが撮った5分~1時間の40本余り。那賀町を舞台にした「桜谷小学校、最後の174日」、三好市出身の映画監督蔦哲一朗さんの「林こずえの業(わざ)」などもある。
映画祭の趣旨に賛同し、300人を超える町民がさまざまな形で関わる。中心で準備を進めるえんがわの橋本育実さん(26)=徳島市出身=は祖母が神山町出身で、「祖母がにぎわいを見てきた神山の盛り上げに一役買えるのは運命を感じるし、光栄。地元の協力に感謝し、内容の濃い映画祭にしたい」と話した。