兵庫、島根各県から飛来し、餌をついばむコウノトリ=31日、鳴門市大麻町

 鳴門市大津、大麻両町と松茂町で30日、コウノトリ24羽が確認された。兵庫県豊岡市からペアが飛来した2015年以降、一日の確認数としては最多。31日にも22羽が確認された。識別用の足輪などから30日の24羽は、鳴門市大麻町で昨年巣立った2羽とその親鳥2羽、兵庫、福井、島根各県で生まれた20羽とみられ、餌場を求めて飛来したようだ。 

 観察者らによると、30日午前9時すぎ、滋賀県から7羽が飛来。レンコン田などで餌をついばんだり羽を休めたりしていた。午前中には大麻町のペアが巣に近づいた個体を追い払う姿も見られた。

 鳴門市とその周辺で確認された個体数は9月下旬には9羽だったが、10月2日に2羽、同15日に5羽が飛来するなど徐々に増えた。今年5月に大麻町で巣立ちした「百(もも)」「歌(うた)」の2羽は8月以降、鳴門市を離れ、10月26日には三重県桑名市で確認されている。

 兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)によると、コウノトリの国内の野外生息個体数は10月17日時点で146羽に上る。同公園は「定着個体がいることで餌があると分かり、降り立ったのだろう。繁殖期(2、3月)に個体数が維持されれば、新たなペア誕生の可能性が高まる」とみている。