日本デザイン振興会は31日、2018年度グッドデザイン賞の大賞などを発表し、神山町で農場や食堂を運営する株式会社「フードハブ・プロジェクト」の取り組みが、第2席に当たる金賞を受賞した。農産物の生産から加工品販売まで一貫して手掛けている点や、事業展開のスピード感が評価された。1980年以降、県関係の企業・団体の金賞受賞は16年ぶり3件目。
グッドデザイン賞には4789件の応募があり、1353件が受賞。このうち特に優れた「ベスト100」に選ばれた作品・事業の中から、大賞1件、金賞19件、特別賞12件などが決まった。
フードハブ・プロジェクトは、町内にサテライトオフィスを設けるウェブ制作会社モノサス(東京)と神山町、一般社団法人「神山つなぐ公社」が出資して、2016年4月に設立された。
「地産地食」を事業の柱として▽町内の農地3ヘクタールで米や在来小麦、野菜、果樹を栽培▽耕作放棄地の再生や新規就農者の育成▽町産食材を使った料理を出す食堂やパン店の運営▽地元の学校と連携した食育活動―などに取り組んでいる。
支配人の真鍋太一さん(41)は「会社の構想や事業内容がデザインとして評価され、世の中に必要とされていると認識できた。今後もぶれずに活動を続けていきたい」と話している。
グッドデザイン賞には、県内からアルボレックス(徳島市)の内装建具、那賀川すぎ共販協同組合(阿南市)の事業も選ばれた。