放置竹林の解消に向けた連携協定を締結している小松島市と阿南高専(阿南市)は、小松島市櫛渕町のJA東とくしま立江支所櫛渕事業所に竹の自動粉末化装置を設置し、有効活用の可能性を探る実証実験を始めた。
装置は同校発のベンチャー企業「バンブーケミカル研究所」(同)が製作。2013年に開発した装置を改良し、約10本の竹材が自動で粉末処理できるようにしたほか、静音性を高めた。
連携協定に基づき同校が市に無償貸与した。市地域おこし協力隊員や市職員らが同校の鶴羽正幸特命教授(69)から装置の使い方を教わり、JA東とくしまタケノコ部会の会員が提供した竹を使って竹粉を作った。
今後、隊員らが竹粉約3・3トンを製造し、市内の協力農家9戸にタマネギやブロッコリーなど秋冬物野菜を栽培する際に土壌改良材として使ってもらう。効果が明らかになれば販売する。
鶴羽教授は「竹粉は野菜の糖度向上に加え、家畜の飼料にも使える。竹粉の持つ特性を生かしてもらいたい」と話し、茨木昭行産業振興課長は「竹粉の活用が放置竹林の解消と農業振興につながればと考えている」と期待した。