板東さんをしのびながら桜を植樹する卒業生=美馬市木屋平貢の貢公園

 美馬市木屋平の旧三ツ木中学校(現在は木屋平中に統合)の同窓生5人が23日、昨年2月に亡くなった恩師で土成町長も務めた板東正さん=享年85歳=をしのび、校舎跡に桜を植樹した。桜の咲く頃に再訪し、恩師の思い出を語り合いながら、満開の花をめでる日を心待ちにしている。

 植樹したのは、54年前に同校を卒業した森本照之さん(69)=吉野川市鴨島町牛島=ら5人と地元に暮らす卒業生1人。同校運動場があった貢公園の広場に、深さ50センチほどの穴を二つ掘り、高さ約3メートルの桜を2本植えた。

 恩師と母校の名にちなみ、「板東桜」「三ツ木校想い出桜」と書いた木製看板を立て、鹿やイノシシの被害を防ぐ鉄柵(高さ約1メートル)で四方を囲んだ。

 きっかけは2013年9月、同級生で埼玉県越谷市で材木会社を経営する岡田正さん(69)が、友人所有の栃木県日光市の山に桜を植えたこと。岡田さんは2、3年生時の担任として指導を受けた板東さんを植樹式に招き、恩返しに「板東桜」と名付けた。

 植樹の1年半後、濃いピンクの花を咲かせた桜の写真が、病床の板東さんの元に届けられ、板東さんはその2日後に永眠した。

 いきさつを知った徳島在住の同級生から、木屋平にも桜を植えようとの声が上がり、森本さんらが公園管理者の美馬市の許可を得て、植樹を実現させた。

 母校跡に集まった森本さんと岡田さん、佐藤美恵子さん(70)、手塚孝二さん(70)、森本昌好さん(69)は「みんなで一緒に天国にいる板東先生の話をしながら、花見をしたい」と声をそろえた。

 板東さんは三ツ木中の教壇に立った後、上板中校長、土成町教育長などを経て、1996年から2005年まで土成町長を務めた。